個別主義により生き残りを図った大原孝治

中国人の爆買いが一時期流行りましたが、それによって大きく利益を上げた小売は少なくありません。
しかし、その一方で爆買い需要によって増加した売上を守りきることができずに、一段落した後で苦戦をしている小売もまた少なくないものです。不景気の日本で訪れたインバウンドによる需要の増加は一時的に、多くの小売に恩恵をもたらせましたがそれを守りきることができた小売は多くありません。

ドン・キホーテもまた爆買いによって大きな利益をあげた企業のひとつですが、爆買いが落ち着いた後もしっかりと売上を伸ばしているのは、ひとえに大原孝治の手腕によるものと言って過言ではありません。
常に先を見据えた経営をしているため、突如わいてきた需要にあぐらをかくことはなくインバウンド需要はしっかりと取り入れつつも、次の手も売っておいたことから生き残ることができただけでなく厳しい時代に確かな業績を残すことができています。

大原孝治が取り入れている手法は個店主義と呼ばれるもので、チェーン店でありながら個々の店舗に権限を与え本部はほとんど何もしないというものです。現場のことを一番良く知っているのは現場であると大原孝治は理解しているため、他の経営者はなかなかできない各店舗に対する権利の委譲をいとも簡単にやってのけドン・キホーテはグループとして利益を残すことになりました。任せる所は任せることによって、柔軟な対応をとることができ時流の変化にも敏感の反応できるということです。